犬のケージゼミナール 【その8】ハウスで防げる分離不安症

これまでのお話しから子犬の飼育にはハウスが欠かせないということがお解り頂けたかと思いますが、ハウスがない飼育環境で放し飼いのまま成犬になったワンちゃんは一体どんな性格に育つのでしょうか?

もちろんすべての子に該当するわけではありませんが、ひと昔前と比べて明らかに増えていると感じるのが“分離不安症”の傾向が強いワンちゃんです。

“分離不安症”とは飼い主さんと離れて独りになった際に普段は見られない問題行動を起こすこと。

問題行動の内容にもいろいろなパターンがあり、イタズラの範疇を超えたレベルでモノを破壊するケースや、落ち着いていることが出来ずに鳴き続ける(吠え続ける)といったケースです。

また、ワンちゃんが自らの身体を過度に舐める・噛むといった自傷行為や、さらには下痢や嘔吐など体調に悪影響を及ぼすケースもあります。

これら分離不安症によるものと思われる問題行動や症状を引き起こす要因としてまず第一に考えられるのは飼育スタイル

幼少期にハウスがない環境で飼育し続けることによりワンちゃんは飼い主さんにベッタリの状態が当たり前となってしまい、飼い主さんがそばにいないと不安に陥るようになってしまいます。

さらにワンちゃんのあらゆる要求に応えてしまうのも犬の習性に反した飼い方。

犬は自分より上位の者から与えられた指示を成し遂げることで満足感を得る習性の動物なので、飼い主さんがいつまでも過保護に接してしまうことでメンタル的にも狂いが生じてしまうのです。

こういった飼育スタイルを続けていくことによってワンちゃんはますます飼い主さんに依存する傾向が強くなり、その結果として分離不安症となってしまうのです。

もちろん、犬はもともと群れを成して生活していた動物のため、分離不安症ではないワンちゃんでもずっと独りで過ごすのは苦手です。

しかしながら、“群れを成す”ことと“いつもベッタリ”の状態とではまったく意味合いが異なり、群れ(一家)のボスである飼い主さんと最下位に位置するワンちゃんとの間に必要なのは“一定の距離感”。

その一定の距離感を保つ最もカンタンな手段がハウスの活用、すなわち“ケージ飼い”なのです。

ハウスの大きさのページで『犬は広過ぎるハウスでは安心して休めない』とお話ししてきたことからもお解り頂けると思いますが、分離不安症の傾向が見られるワンちゃんはハウスを狭くしてあげることによってその症状が和らぐ場合があります

飼い主さんと離れるだけで不安に陥ってしまう分離不安症のワンちゃんですから、広過ぎるハウスで過ごさせてしまえばその不安をさらに助長してしまうようなもの。

その広いハウスを狭くしてあげればその分安心感が増すことになりますので、分離不安症の程度にもよりますが飼い主さんと離れている不安を少しは紛らわすことが出来るのです。

また、狭くしたハウス自体をさらに毛布やシーツなどで覆うことで“巣穴感”を演出してあげるとさらに安心感が増すこともありますので、状況によってはこの方法を併用してみても良いでしょう。

『ケージ飼い、侮るべからず』ですよ。


以上で『犬のケージゼミナール』は修了となりますがお解り頂けましたか?

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